北欧の料理
フィンランドの料理
フィンランドの料理はロシアやスウェーデン、ドイツの影響を強く受けているのが特徴で、ロシアに近い東部のカリレヤ地方では野菜やキノコ類、そしてピーラッカ(Piirakka)という米と肉入りのライ麦パンが特産で、ボスニア湾やバルト海に面した西部は、カワカマスやマス、サーモン、バルト海のニシンなどの魚料理が多く食べられています。主食はライ麦パンや、朝食のオートミール粥。ブルーベリーやリンゴンベリー(コケモモ)などのベリー類やサワークリーム、ヨーグルトなどの乳製品が豊富で、ベリー類は伝統的なフィンランドのデザートであるブルーベリースープとブルーベリーパイとして食べられますし、ジャムとして肉の添え物にされるなど料理の味付けにもよく使われています。
また自然に恵まれたフィンランドでは長い狩猟の伝統があり、鹿や、ラップランドのトナカイ、ウサギ、鴨、ライチョウなどが、特に秋のジビエとして食べられるています。特にライチョウは日本では特別天然記念物に指定されているため食べることができないため、日本人には貴重な食材と言えるでしょう。また、ラップランドには、トナカイの狩猟などを生業とする極北のサーミ人のコミュニティがあり、ロシアやスウェーデンにまたがって独特の文化を育んでいます。
2005年にフランスのシラク大統領が「フィンランドの料理はイギリスと同様にまずい」、さらにイタリアのベルルスコーニ首相も「フィンランドでは食べるものがなくて、ダイエットしなければならなかった」と発言したことで物議をかもしたことがありました。その根拠は、フィンランドでは日常的に、パスタ(特にボロネーズ風のひき肉ソースが人気)やピザ、ハンバーガーといった外来の外食がよく食べられている背景があるのではないかという誤解のためですが、実際には、ヘルシンキにミシュランの2つ星レストランが登場するなど、おいしいものはたくさんあります。また、フィンランド人はコーヒーが大好きで、その消費量は世界のトップレベルです。また寒い国だけにお酒も好きで、ジャガイモや穀類から作られたアクアヴィートや、ウォッカ、ポイタヴィーナ(Piytaviina)など寒い国特有の強いお酒の種類が豊富です。
ノルウェー料理
ノルウェーは、海岸地方、山岳地方、森林地方に大きく分られ、それぞれ料理も少しずつ違っています。漁業が盛んな海岸地方は、ノルウェー・サーモンとして世界的に有名なサケをはじめ、大航海時代のスペイン、ポルトガルや、ギリシャなど海洋国の船での保存食として重宝され、輸出されてきた干タラ(バカリャウ)や、ニシンやさば、現在では捕獲制限を受けていますが鯨などの海産物が豊富です。スモークサーモンや、ラクフィスク(Rakfisk)という発酵させたマスの料理のほか、クリーム入りの魚介類のスープのバリエーションがいろいろあります。この魚介類を使った料理は通常、ハーブとコショウ、塩で味付けられる程度のシンプルなものがほとんどです。
一方、山岳のある内陸地方では、放牧された羊肉のほかに、大鹿やトナカイ、鳥などの野生動物の肉が食べられています。肉はソーセージなどに加工されていたり、時には塩漬けなどに保存されます。野生動物の肉の臭みを消すために、森でとれたベリー類のジャム入りのソースがよく使われており、肉やソーセージには、ライ麦または小麦のパンとサワークリーム、じゃがいもが添えられます。フリクル(Frikl)という羊肉とキャベツのシチューや、ノルウェー西部でクリスマスによく食べられるPinnekjttという数時間スモークした羊のバラ肉といった料理がポピュラーになります。
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Last update:2017/10/11