アジア料理
日本の料理
アジアの料理の中でも、日本は多くの国々から料理を学び自分のものとして昇華してきました。日本で舶来の"各国料理"が持てはやされるようになったのは、今に始まったことではありません。6世紀の大和朝廷の時代には、蘇(そ)という牛乳を炊き上げて作ったチーズがシルクロードから伝わっており、尊い人の間で珍重されていました。 また、鎌倉時代には、禅宗の影響で精進料理が食べられるようになっており、足利末期には多くの南蛮料理が伝わっています。これらを取り入れたのが、京都の茶懐石やおばんざいだといわれているのです。また、江戸時代の天文年間には長崎にポルトガル人が渡来して、また日本人の使節がポルトガルに渡って日本の食文化に影響を与えました。たとえば、天ぷらは、元はポルトガルの料理で、ポルトガル語ではフィレッテといいますし、かき揚げはこれもポルトガルの料理の1つパタニスカス・デ・バカリャウが祖先といわれています。このように油を使った料理が普及したのもこの時代の特徴です。この頃からおよそ80年後の元和年間には、ポルトガルに代わって唐の文化が入り始め、支那うどん(当時のラーメン)や、お好み焼きの元祖ともいえる"煎餅"などがが伝わりました。
明治時代に入ると、長年の肉食禁忌が解かれて、牛肉食が文明開化の象徴になりました。インドからヨーロッパに伝わったカレーが食べられるようになったのもこの頃といわれ、横須賀の名物として有名になった「海軍カレー」も、西欧式のカレーでした。カレーと一緒に牛乳とサラダを一緒に食べるのが、当時の流行だったようで今でも横須賀に行くとその風習が見られます。ラーメンも近年ではつけ麺も主流になってきました。それぞれ、ラーメンもお好み焼きもカレーも、独自の発展を続け、今や日本を代表する食となっています。一方、日本を代表するお酒といえば、日本酒ですが、この日本酒は今や海外でも人気があり、ニューヨークにはSake Barがあるほど国際的な存在となっています。古事記と前後して奈良朝時代に編さんされたといわれる「播磨風土記」では、すでに日本酒の製法が綴られていました。また、日本で喫茶の文化が始まったのは、遣唐使が往来した奈良・平安時代といわれているほど古いものです。
中華料理
ヨーロッパ料理といっても多くの種類があるように、広大な国土の中国の料理も、地域ごとの特徴があり、とてもひと言では語れないほどの種類があります。その中でも代表的なのは、まず「食在広東(食は広東にあり)」ともいわれる広東料理があげられます。椅子以外の四足、飛行機以外の飛ぶものは何でも食べてしまうといわれるほど豊富な食材を使った料理で有名です。また、飲茶に代表されるような、日本人にもなじみのある料理がたくさんあり、薄い味付けで、油を多用しているのが特徴です。他には、北京料理なども有名ですが、これは首都の北京で食べられている料理ではなく、中国北部、黄河を境に北側の地域で作られている北方料理の総称となります。この地域の料理は清王朝時代の宮廷料理として発達しました。寒い地方がゆえ、カロリーの高い料理が多いのが特徴で、長ねぎやしょうが、にんにくなどの香りを生かした塩味が主流で、北京ダックや、羊肉のしゃぶしゃぶが有名です。
また、シルクロードの発着点として知られる西安では、餃子が有名です。この餃子がイタリアに渡り、ラビオリになったという説もあります。餃子の通販で美味しい餃子を買ったら、シルクロードの味がする~なんて、これからは考えてしまうのでしょうか(笑)シルクロードと通販というのもまたすごい時代の差がありますよね。 また、西安はスパイシーな料理も特徴的で、大きな包丁で小麦粉のタネをお湯を沸かした鍋に投げ入れる刀削麺も有名です。上海料理は、揚子江流域の蘇州、揚州、無錫、杭州、寧波など江南各地の伝統料理を集大成したもので、濃厚な醤油味や甘味が特徴で、魚介類がよく使われています、秋には上海蟹が出回ります。坦々麺や麻婆豆腐などに代表される四川料理は、唐辛子や山椒、ニンニクなど多用したスパイシーな味が特徴的。有名なのはこのくらいですが、ほかにも湖北料理、雲南料理、客家料理などなどきりがないほどの種類があります。日本ではウーロン茶が有名な中国のお茶も、道楽が過ぎると身を滅ぼしそうなほど奥が深いもので、お酒では黄酒といわれる紹興酒や老酒が知られていますが、コーリャンを原料にした白酒と呼ばれる蒸留酒もよく飲まれています。また杏など果物のお酒、ワインなどもあり、お酒の種類も豊富です。
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最終更新日:2019/12/24